社内で揉めないための正解と最低限のマナー
年始といえば、かつては年賀状を送るのが当たり前の時代がありました。
友人、親戚、職場関係、取引先に向けて、元日に届くよう12月から準備を進めていた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
送り先のリストアップ、喪中の確認、干支のデザイン選び、一言コメントを手書きする手間etc
今振り返ると、かなりの労力をかけて「新年の挨拶」をしていた文化だったと思います。
しかし、ITやSNSが発達した現代では、年賀状を出す人は年々減っています。
親しい友人であればLINEやSNSで一言送って終わり、というケースも珍しくありません。
いつしか年末年始の挨拶文化は曖昧になったように思えます。
では、社会人としての「年末年始の挨拶」、特に社内向けの挨拶メールはどう考えるのが正解なのでしょうか。
そこで今回は、社内の年末挨拶メールは本当に必要なのか、最低限押さえておくべきポイントを、私自身の失敗談も交えながら整理していきます。
挨拶メールに対する、よくある社内の疑問
年末が近づくと、ふと頭をよぎる疑問があります。
- 社内の上司や先輩に年末挨拶メールは必要なのか
- 毎日顔を合わせているのに、改めて送る意味はあるのか
- 形式的なメールを送って何が変わるのか
正直なところ、多くの人が「よく分からないけど、何となく送った方が無難そう」と感じているのではないでしょうか。
一方で、
- 忙しい年末に余計なタスクを増やしたくない
- 文章を考えるのが面倒
- 送らなくても困ったことがない
こうした気持ちも同時に存在します。
この曖昧さこそが、年末挨拶メールを厄介な存在にしている原因でしょう。
実際にあった、私の失敗談
ここで、私自身の失敗談を一つ紹介します。
ある年の年始、私は直属の上司に年始の挨拶メールを送りませんでした。
意図的に無視したわけではなく、単純に失念していただけです。
年始初日に、朝礼に続いて個別で上司からこう言われました。
「俺は別に送られなくても全然構わないけどさ、○○(同僚)はちゃんとメールで挨拶送ってきたぞ。お前も一応やっとけよ」
内心では、
「構わないなら、わざわざ比較して言わないでよ」
「本当は送ってほしいアピールだな」
と思いながら、表面上は「すいません、失念していました」と返しました。
この出来事で感じたのは、社内の挨拶メールは「評価」というより「印象管理」に近いということです。
送らなかったから即座に不利益があるわけではありません。
ただし、「やらない人」として記憶に残る可能性はあります。
なぜ社内の年末挨拶は流しがちになるのか
社内向けの年末年始の挨拶メールは、毎年コピペで済ませがちです。
深く考えず、前年の文面を少し変えて送るだけ、という人も多いでしょう。
理由はシンプルです。
- 効果が見えにくい
- 送らなくても業務は回る
- 忙しい時期に優先度が下がる
つまり、重要そうでいて本当の重要度が分からないタスクなのです。
だからこそ、後回しにされ、忘れられやすくなります。
社内の年末挨拶が「必要なケース/不要なケース」
ここが最も重要なポイントです。
社内の年末年始の挨拶メールは、全員に必須ではありません。
ただし、以下のようなケースでは送った方が無難です。
- 日常的に直接指示を受けている上司
- 評価者であり、接点が多い人
- 普段あまり雑談しないが、業務上の関係が深い相手
逆に、送らなくても問題になりにくいのは、
- 毎日顔を合わせて会話している同僚
- 業務上ほとんど関わりのない上司
- チーム外の社員
判断基準はシンプルで、「評価や業務に影響する距離感かどうか」です。
社内向け挨拶の最低限のポイント
送ると決めた場合、押さえるべきポイントは多くありません。
- 長文にしない
- 感謝+締めの一言で十分
- 仕事納め前に送る
- 一斉送信感を出しすぎない
丁寧すぎる文章は、かえって重くなります。
好印象になりやすい一言/避けたい一言
好印象になりやすいのは、
- 「今年もご指導ありがとうございました」
- 「来年も引き続きよろしくお願いいたします」
避けたいのは、
- 過度な個人的感情
- 必要以上の抱負
- 上から目線に聞こえる表現
社内向けの場合、「無難で失点しない」が最優先です。
まとめ
年末の社内挨拶メールに、絶対的な正解はありません。
むしろ、気遣いの最低ラインと言えるでしょう。
ただし、「やらなくていい」と言い切れるものでもないのが現実です。
私自身の経験から言えるのは、
社内挨拶メールは、評価を上げるためではなく、摩擦を減らすための行動だということです。
無理に印象を良くしようとする必要はありません。
しかし、余計な引っかかりを生まないための最低限として、割り切って対応するのが現実的だと思います。
年末の忙しい時期だからこそ、
「頑張りすぎないけど、雑にもしない」
そのくらいの距離感が、会社員としてはちょうど良いのではないでしょうか。

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