「とりあえず」から抜け出すキャリアの考え方
近年、将来やキャリアへの不安から「資格を取ろうかな」と考える人は少なくありません。
もちろん資格には価値があります。
しかし、「とりあえず資格を取れば安心」という発想は、実はキャリアを前に進めるどころか遠回りになってしまうこともあるのです。
ここでは私自身の経験を交えながら、資格との向き合い方を考えてみます。
研修で取った資格は実際に役立ったか?
私も新卒時代、会社の研修を通していくつか資格を取得しました。
しかし振り返ると、実務や実技で実際に使った資格はほとんどなかったのです。
もちろん資格名を名刺に書けば箔がついたように見えますし、手当がつくケースもあります。
ですが、そこに至るまでには時間も労力も、そして受験料も必要です。
「なんとなく不安だから資格を取ろう」という選択は、投資対効果が見合わないことが多いと感じました。
資格は人生をかけて挑むもの
例えば、弁護士、税理士、社労士などのいわゆる士業は、取得難易度が非常に高い資格です。
だからこそ重宝される職種であり、その資格を得るために多くの人が長い時間をかけ、人生をかけて取り組んでいます。
一方で、安易に「資格を取れば食べていける」と考えるのは危険です。
資格があっても、経験や実績がなければ仕事は集まらないのが現実です。
資格は「入口」に過ぎず、その先の努力や実務経験が評価を左右するのです。
「逃げ」ではなく「強み」を見つける
仕事がうまくいかない、不満がある…
そんなとき「資格を取ろう」「転職しよう」「副業を始めよう」と考えるのは自然なことかもしれません。
しかし、そこで立ち止まって考えたいのは、自分の強みは何か? という問いです。
資格を取ること自体が目的になってしまうと、いつまで経っても本質的な課題は解決しません。
むしろ、今の職場で強みをどう活かせるか、あるいはどんな環境ならば強みを最大限に発揮できるかを探る方が、キャリアは前向きに進んでいきます。
まとめ
転職に踏み切る前の私は、不安になると「資格でも取ろうかな」と考えることがありました。
しかし実際には、資格を取ることがゴールではなく、あくまで通過点に過ぎません。
資格が必要な場面ももちろんあります。
私も人事として面接を担当する際に、履歴書に多くの資格が並んでいる人を見ると「すごいな」と感じました。
ただ今振り返ると、それ以上に大切なのは 自分の強みをどう発揮できるかを考え、それを活かせる環境を選ぶことだと思います。
その方がキャリアを豊かにする近道になるのです。
資格に逃げるのではなく、資格を 「戦略的に選ぶ」。
そんな意識を持つことこそ、これからの働き方において大切なのではないでしょうか。
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