【人事が教える】後悔しないキャリアを描くための目標設定術
キャリアについて考えるとき、「とりあえず今の仕事を頑張る」「数年後に転職したい」など、ぼんやりとした方向性で終わってしまう人も多いのではないでしょうか。
しかし、人事として多くの社員のキャリアを見てきた私の立場から言えるのは、目標を持つ人は成長スピードも満足度も高いということです。
ここでは、誰でも実践できる「キャリア目標の立て方」を解説していきます。
「ありたい姿」を先に描く
「出世したい」「給料を上げたい」だけでは、目標は続きません。
まずは 5年後・10年後に自分がどんな働き方をしていたいか をイメージしましょう。
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どんな働き方をしていたいか(在宅?海外?管理職?)
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どんなスキルを身につけていたいか
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どんな人と一緒に働いていたいか
「どうなりたいか」という自分の姿を描く
キャリアを考えるときに多くの人が陥りがちなのが、「何をするか」から目標を立ててしまうことです。
「転職する」「資格を取る」「英語を勉強する」…これらはすべて“行動”の目標であり、その先にある「自分自身がどうなりたいか」というイメージが抜けてしまうと続きません。
たとえば、
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「誰からも信頼されるリーダーになりたい」
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「時間や場所に縛られず、自由に働ける自分でいたい」
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「専門分野で“この人に任せたい”と思われる存在でありたい」
といった“在り方”を言葉にしてみるのがおすすめです。
「どうなりたいか」を先に描くことで、後からやるべき行動が自然と導かれ、ぶれないキャリア軸ができます。
「短期」「中期」「長期」で目標を分ける
大きなゴールを描いたら、それを 3つのスパンに分解 します。
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短期(1年以内):資格取得、プロジェクトに挑戦する
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中期(3年以内):リーダー職に就く、新しい業務領域に挑戦
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長期(5〜10年):マネジメント層、独立、海外勤務など
段階を区切ることで、「今やるべきこと」が見えやすくなります。
「誰の力を借りるか」を明確にする
キャリアの目標は、自分ひとりの努力だけでは到達しにくいものです。
上司の経験談、同僚からのフィードバック、社外のメンターや専門家の知識など、他人や環境の力をどう借りるかを考えることが重要です。
たとえば:
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仕事の進め方を学ぶために、尊敬する先輩に相談する
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専門スキルを身につけるために、外部の講師や勉強会に参加する
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モチベーションを維持するために、一緒に頑張る仲間を作る
「今の自分にはどんなサポートが必要か」「誰からその力を借りたいか」を書き出すことで、目標達成の道筋がより現実的になります。
定期的に振り返りをする
キャリアは一度決めたら終わりではありません。
「半年に一度」などタイミングを決めて、
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進捗はどうか
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環境や考えが変わっていないか
を確認することが大切です。
振り返りを怠ると「なんとなく働いているうちに数年経ってしまった」という状態になりがち。
キャリア目標は「宣言」すると強い
人事として特に感じるのは、言葉に出すと実現確率が上がるということです。
上司との面談で伝えるのも良し、同僚や家族に話すのも良し。
周りに「自分はこうなりたい」と伝えると、応援してくれる人や情報も自然と集まります。
まとめ
キャリアの目標設定は「正解」を探す作業ではありません。
環境や立場が変われば、目標そのものも自然と変化していくものです。
大切なのは、一度立てた目標に固執することではなく、立ち止まって「今の自分にとって何が心地よいと感じるか」を改めて問い直すことだと思います。
人事の経験から感じるのは、明確なゴールを掲げて走り続けるだけの人よりも、自分の「ありたい姿」を持ちながら柔軟に軌道修正できる人の方が、結果的に長く楽しそうに仕事をしているということです。
目標設定は指針としてもちろん大事ですが、その道のりをどう歩むかは常に自分で選び直せるようなスタンスが、キャリアを豊かにしていくのではないでしょうか。
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