雑用をこなして気づいた景色の話
仕事をしていると、ときどき思うことがあります。
上司は雑用をしないし、部下や新人がやって当たり前だと思っていることに
電話対応、来客案内、ゴミ捨て、問い合わせフォロー。
誰が担当と決まっているわけでもないのに、なぜか私の机に吸い寄せられる。
もちろん、上長は基本ノータッチです。
電話が鳴れば誰も取らない、ゴミは溜まっても放置。
その“手”、今日ずっと空いてますよね?というツッコミは飲み込みます。
とはいえ、ここで感情的になっても何も始まりません。
雑用は軽いユーモアで受け流しつつ、賢い立ち回りはないのか!?
そう思うようになったのには、理由があります。
雑用をやると、誰よりも情報が集まる
電話に出ると、他部署の状況がリアルにわかる。
問い合わせを受ければ、会社のフローの穴にも気づく。
ちょっとした雑務を通じて、仕事の「裏側」や「流れ」が自然と見えてくる。
なんとなくですが、
“雑用=低負荷な仕事” ではなく、
“情報の集まる場所” に近い感覚です。
結果として、私が一番会社の動きを把握している場面もある。
それが次第に、周囲の評価にもつながっていきます。
「とりあえずあの人に聞けばわかる」
「まずあなたに相談したいんだけど」
そんな声が増えてきたとき、少し世界が変わりました。
■「仕事ができる人に仕事が集まる」という現象の真実
ただし、この状態には落とし穴もあります。
「仕事ができる人に仕事が集まる」
これは間違いではありません。
しかし実際には、
“できる” というより “対応が早い・断らない・理解している”人に集まる
というのが実態です。
雑用を通じて全体を把握できるようになり、
周囲は気づけばあなたを “ハブ” として扱うようになる。
これは成長のチャンスでもあり、
負荷が増える危険な兆候でもあります。
仕事が集まる理由が「便利そうだから」になっている場合、
疲弊していくのは目に見えています。
ここで立ち止まり、考える必要が出てきます。
■抱え込むのではなく、「仕組み化」へ切り替える
自分に仕事が集まるのは悪いことではありません。
ただし、それを自分一人で抱え続けるのは持続しません。
そこで鍵になるのが、
マニュアル化・情報整理・仕組みづくり。
・問い合わせ対応の手順を明確にする
・情報を共有できる仕組みを作る
・属人化している業務を透明にする
こうした一手を打つと、
周囲のメンバーが自然と動けるようになり、
“自分じゃないと回らない状態” を脱却できます。
そして、これはただの負担軽減ではなく、
組織にとって本質的な価値を生みます。
少し大げさに言えば、
便利屋から「仕事をデザインできる人」へ格上げされる感覚です。
■「自分がいないと回らない」より「自分がいるともっと良くなる」
サラリーマンには、ある残酷な前提があります。
替えが効く。
しかし同時に、替えが効く中でも“価値の出し方”は選べる。
雑用という小さな仕事をきっかけに、
全体を把握し、仕組みを作り、業務の精度を上げていく。
その力は、どんな環境でも通用します。
だから私はこう思います。
「自分がいないと回らないより、
自分がいると組織が少し良くなるほうが、ずっと健全だ」と。
雑用は侮れません。
そこにこそ、情報と気づきと価値の“種”があるからです。
今日もひとつ雑用を片付けたら、
少しだけ未来が広がるかもしれません。

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